このたびは、Red Heart-SIRIUS 第4回奨学生として採用して頂き、ありがとうございました。
2007年のAPDTアニュアルカンファレンスに出席して、家庭犬のトレーニングに関する最先端の情報に直接触れることができると思うと、今から本当に楽しみで、このような貴重なチャンスを下さったペットドッグトレーニングトレーニングセミナー事務局の皆様とイアン・ダンバー博士に心から感謝しています。
『飼主にもHAPPYで犬にもHAPPYな暮らしのために』、そして、『人と犬との素敵な共存のために』、少しでもお手伝いができるようになることが、今の私の目標です。
今回の受賞は、目標に向けて試行錯誤している私にとって、大きな前進となるものだと確信しています。
平日は一般企業に勤めている私が、このような目標をもち、週末に犬のしつけ方教室で修行を積みながら犬のしつけの勉強に取り組むに至ったのは、子どもの頃飼っていたコッカースパニエル「レオ」の存在があったからでした。
レオは、2歳のとき、私たち家族と一緒に引越しをして、それまでと全く異なる環境での生活を余儀なくされました。環境の変化による不安とストレスから、レオと私たちの関係はぎこちなくなり、ついにはレオは父親に唸り、噛み付くようになりました。これに対し、私たちは「レオは家の中でボスになろうとしているから、父親がボスであることを見せ付けなければならない」という知人のアドバイスを受けて「力には力」で対抗しました。結果は、レオの目つきがより険しくなっただけでした。必要だったのは、力でねじふせるのではなく、新しい環境に不安を抱いていたレオに、どのように過ごせば良いかを知らせてあげることだったのです。でも、当時、私たちはそれに気付かず、また気付かせてくれる人もいませんでした。
今も、当時の私たちのように、どうしたら良いか分からず戸惑っている飼主と犬がいるはず。その関係を修復するお手伝いがしたい。また、関係が悪くなることを未然に防いで信頼関係を築くお手伝いがしたい。この思いから、犬のしつけの勉強に取り組むことになりました。
犬のしつけの勉強をするうちに、以前暮らしていたドイツの社会における犬の受け入れ度の高さに改めて興味を持ち、昨年夏、愛犬シャーリと一緒にドイツのアシャッフェンブルク犬学校で2週間インターンシップを受けて来ました。
そこで目にしたのは、犬と一緒に街に出ることを望む飼主さんが愛犬にきちんとマナーを教えた上で、一緒に街に出入りしている様子でした。自己責任の徹底した考え方に基づいて教えるべきことを教え、また犬の気持ちを尊重した、人と犬とのギブアンドテイク。そして犬の苦手な人といがみあうのではなく、犬の権利を守るために飼主ひとりひとりが努力をして、その結果実現できている歩みよりは、見習うべきところが多いと思いました。
日本でも飼主と犬のHAPPYな関係が増え、犬好きな人も犬が好きでない人も、マナーを身につけた犬を尊重し、歓迎するような社会になれるでしょうか?
今の日本の現状を見れば、まずは、愛犬のしつけに対する関心をもっともっと高めていかなければいけないと思います。また、様々なしつけの方法の中でも、できるだけ飼主にも犬にもやさしいトレーニング方法の採用が、長い目で見れば好ましいと考えています。
犬のしつけの手法や認識は日々変化します。人の生活パターンが変われば、犬の生活パターンも変わり、しつけ方法もそれに応じて変化しなくては、歪みが生じます。ところが、新しい情報を手に入れ、その中から最良の手法を入手するのは容易ではありません。
犬のしつけの最先端の知識を得られる場を探していたところ、APDTのアニュアルカンファレンスのことを知りました。毎年興味深いセミナーが提供されるこの大会に、Red
Heart-SIRIUS奨学生として出席できることは本当に光栄なことで、多くのセミナーに参加し、そこに集まる人と議論をし、ネットワークを広げるまたとないチャンスだと思っています。そして、ここで得られた知識と技術を日本に持ち帰り、飼主にも犬にもやさしいトレーニング方法を用いたしつけの普及に、微力ながら貢献できればと、決意を新たにしています。
2006年7月 川原 志津香
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